留学に必要な英語試験、結局どれを選べばいい?
海外の大学や大学院に進学する際、避けて通れないのが英語能力試験です。日本人留学生が直面する代表的な選択肢は、IELTS Academic、TOEFL iBT、PTE Academicの3つ。2025年現在、これら3試験で英語圏の高等教育機関が出願者に求める英語力証明の95%以上をカバーしているとされています。しかし、試験時間は最短で約2時間、費用は日本国内で25,000円から37,000円程度とばらつきがあり、結果が出るまでの期間も48時間から13日と大きく異なります。さらに、イギリスの学生ビザでは特定の「SELT(安全な英語試験)」[1]のみが認められ、アメリカの約9割の大学がTOEFL iBTを標準としつつも、IELTSを受け入れる機関は全米で4,000校を超えるなど、留学先によって前提条件がまったく異なるのです。この記事では、こうした情報を整理し、あなたの進路に合った試験選びをデータでサポートします。
各試験の形式と基本データを横断比較する
試験を選ぶ最初のステップは、形式と費用の把握です。IELTS Academicはイギリス英語を中心にした実用的な出題が特徴で、スピーキングテストは試験官との対面式。受験料は日本国内で25,380円(ペーパー版)または26,400円(コンピューター版)です[4]。一方、TOEFL iBTは北米英語を基調とし、全セクションをコンピューターで完結。米国を中心に広く受け入れられ、受験料は約35,000円から37,000円です[5]。PTE Academicは完全AI採点により、結果が通常48時間以内に通知されるスピードが魅力で、受験料は27,500円[6]。いずれもリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能を測定する設計です。
留学先の国別に見る「事実上のスタンダード」
留学先の国ごとに、学生ビザ申請で有効な試験種別が異なる点は最重要です。イギリスではTier 4学生ビザに「SELT」認定試験が必須で、IELTS for UKVI(Academic)またはPTE Academic UKVIが事実上の標準です[1]。オーストラリアは多くの試験を認めており、IELTS Academicが最も普及[2]。看護師登録など専門職評価でもPTE Academicの利用が目立ちます。カナダでは2023年8月より、学生ビザの簡易申請制度「SDS」に対応する試験にPTE Academicが追加され、選択肢が拡大しました[3]。アメリカでは依然としてTOEFL iBTが主流ですが[5]、IELTS Academicを認める大学は年々増加傾向にあります。
スピーキング方式の違いが合否を分ける
スピーキングセクションの方式は、受験者の得手不得手が如実に表れるため、慎重に見極めましょう。IELTS Academicは試験官との1対1の対面式で、質問への即興的な応答力や自然なアイコンタクトが評価に影響します[4]。これに対し、TOEFL iBTとPTE Academicはコンピューターに向かって話す録音方式です。TOEFL iBTはマイクに向かって解答し、人間の評価者とAIがスコアを判定します[5]。PTE Academicは全工程がAI採点のため、発音の正確さや流暢さが厳密にスコアに反映されます[6]。対面で緊張しやすい人はコンピューター方式を検討する価値があります。
自分の英語力プロファイルに合った試験を選ぶ
3つの試験は求められるスキルのバランスが異なります。IELTS Academicは論理的なライティングと対話式スピーキングが鍵で、アカデミックな議論に慣れている人に適しています[4]。TOEFL iBTは講義の要約や複数資料を統合する統合型タスクが多く、大学の授業風景を想定した出題が中心です[5]。PTE Academicはタイピング速度と音声認識に強い受験者に有利で、設問ごとの時間配分が細かく決まっているため、テンポよく解答を進める処理能力が求められます[6]。模擬テストで実際の操作性を確認することが、選択の確度を高めます。
スコア換算の目安を把握し目標設定に活かす
出願先が複数の試験スコアを併記している場合、換算の目安を知っておくと計画が立てやすくなります。欧州言語共通参照枠(CEFR)に基づく対照では、B2レベル(アカデミックな場面で自律的に行動できる水準)はIELTS 5.5〜6.5、TOEFL iBT 72〜94、PTE Academic 59〜75に相当します[8]。C1レベルではIELTS 7.0〜8.0、TOEFL iBT 95〜113、PTE Academic 76〜84がおおよその目安です[7][8]。ただし、大学や学部が独自の換算基準を持つ場合があるため、志望校の公式情報は必ず最終確認してください。
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UNILINKにできるのは、皆さんの留学申請とOSHC/OVHC(海外学生健康保険)の手配です。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドをはじめとする英語圏の大学・大学院への出願手続きを日本語でサポートし、渡航後の保険面もカバーします。どの英語試験を選ぶべきかは、志望国や出願スケジュールによって変わるため、専任のコンサルタントがあなたの条件に沿って情報を整理してお伝えします。留学に関する個別相談は、画面右下のチャットからお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q1: イギリス留学ではTOEFL iBTは使えませんか?
イギリスのTier 4学生ビザ申請には、UKVI(英国ビザ・移民局)が認定したSELT試験が必須です。2025年現在、TOEFL iBTはこのSELTリストに含まれていないため、ビザ申請にはIELTS for UKVI(Academic)またはPTE Academic UKVIのスコアが必要です[1]。一部の大学が入学審査のみTOEFL iBTを受け入れる場合もありますが、ビザ段階で別途SELTスコアの提出を求められるリスクがあります。
Q2: PTE Academicはアメリカの大学でも通用しますか?
イェール大学やデューク大学など、一部の名門校を含む多数のアメリカの大学がPTE Academicを入学審査に採用しています[6]。ただし、TOEFL iBTやIELTS Academicに比べると対応校数は限られるため、志望大学のウェブサイトで最新の英語能力要件を確認してください。2025年の調査では、全米トップ100校のうち約4割がPTE Academicを正式に認めています。
Q3: 試験対策にかけるべき期間の目安はありますか?
現在の英語力と目標スコアの差によります。一般的に、CEFRのB1レベル(IELTS 4.0〜5.0程度)からB2レベル(IELTS 5.5〜6.5)へ引き上げるには、週15〜20時間の学習で約6〜8ヶ月を要します[8]。試験形式に特化した対策としては、公式問題集や模擬テストを活用し、2〜3ヶ月間集中して取り組むケースが多いです。
Q4: タイピングが遅いとPTE Academicは不利ですか?
PTE Academicではライティングセクションのエッセイ課題をコンピューターで入力するため、タイピング速度がスコアに影響する可能性があります[6]。目安として、1分間に30〜40ワード程度のタイピング速度があれば時間内に十分な量を書けるとされています。タイピングに自信がない場合は、IELTS Academicのペーパー版で手書き解答を選ぶことも検討してみてください。
Q5: 複数の試験を受けて、一番良いスコアを提出しても良いですか?
多くの大学では、出願時に1つの試験のスコアのみを提出する形式ですが、複数の試験を受けたうえで最も高いスコアを選んで提出することは問題ありません。ただし、TOEFL iBTの「MyBest®スコア」(複数回の受験で各セクションの最高点を組み合わせる制度)を受け入れるかどうかは大学によって判断が分かれるため、事前に確認が必要です[5]。
参考資料
- 英国内務省, “Student visa: Knowledge of English,” GOV.UK, 2025年更新. https://www.gov.uk/student-visa/knowledge-of-english
- オーストラリア内務省, “Student visa (subclass 500): English language requirements,” Department of Home Affairs, 2025年更新. https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/getting-a-visa/visa-listing/student-500/english-language-requirements
- カナダ移民・難民・市民権省, “Student Direct Stream: Acceptable language tests,” Canada.ca, 2025年更新. https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/study-canada/study-permit/student-direct-stream/eligibility.html
- IELTS公式サイト, “IELTS for UK Visas and Immigration,” 2025年参照. https://www.ielts.org/for-test-takers/ielts-for-uk-visas-and-immigration
- ETS, “TOEFL iBT Test Content,” 2025年参照. https://www.ets.org/toefl/ibt/about/content.html
- Pearson PTE, “PTE Academic: Test Format,” 2025年参照. https://www.pearsonpte.com/pte-academic/test-format
- ETS, “Research: TOEFL iBT Score Comparison Tables,” 2025年更新. https://www.ets.org/toefl/institutions/scores/compare/
- Council of Europe, “Common European Framework of Reference for Languages (CEFR): Global Scale,” 2025年参照. https://www.coe.int/en/web/common-european-framework-reference-languages/table-1-cefr-3.3-common-reference-levels-global-scale